この記事は、TOEIC Programを運営する一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の公式サイトに書かれている記述だけを使って書いています。
校数・研究科数・スコア・選択肢はすべて公式ページの原文から取り、確認した日を明記しました。
確認した日は2026年9月17日です。
公式ページに書かれていなかったことは、書かれていないとそのまま書きます。
【結論】TOEIC 大学院の活用は「校では8割超、研究科では4割弱」
公式は、大学院の入学試験でTOEICがどれだけ使われているかを調査して公開しています。
その結果だけを先に置きます。
| 項目 | 公式の数字 |
|---|---|
| 調査実施校数(研究科数) | 92(746) |
| 入学試験活用校数(研究科数) | 77(275) |
| 校の割合(当サイト計算) | 83.7% |
| 研究科の割合(当サイト計算) | 36.9% |
出典=入学試験における活用状況【2022年度】-大学院-(IIBC公式)、2026年9月17日確認。
表は当サイトで作成しました。割合は当サイトで計算したものです。
校の単位で見ると92校のうち77校、つまり8割を超える大学院がTOEICを使っています。
ところが研究科の単位で数え直すと、746研究科のうち275研究科です。
4割に届きません。
この差が、大学院とTOEICの関係を読むときにいちばん大事なところです。
TOEIC専門の講師として言うと、「うちの大学院はTOEICを使っている」と聞いても、自分の受ける研究科が使っているとは限りません。
TOEIC 大学院の調査はいつ、誰が行ったものか
公式は調査の素性を明記しています。
原文はこうです。
「一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会は、株式会社 大学通信に委託し、2021 年10 月・11 月・12 月に一部の大学院におけるTOEIC Tests の活用状況について調査を実施しました」
調査は2021年の10月から12月にかけて行われています。
対象は「2022年度入学試験におけるTOEIC Tests活用状況」です。
方法についても書かれています。
「本調査は、大学院に対し、『2022 年度入学試験におけるTOEIC Tests 活用状況』について調査用紙を送付し、ご回答いただいたものです」
調査用紙を送って回答してもらう形なので、回答が無かった大学院は数字に入りません。
公式は「一部の大学院における」と書いています。
全国すべての大学院を数えたものではない、ということです。
そして公式は、読む側への注意も付けています。
「入学試験の詳細な要件につきましては、必ず各学校の入学案内・募集要項・公式サイトなどでご確認くださいますようお願いいたします」
TOEIC 大学院の活用一覧はPDFで公開されている
公式は、活用している大学院の一覧をPDFで出しています。
| 一覧の種類 | ファイルサイズ(公式の表記) |
|---|---|
| 国公立大学院 | 517KB |
| 私立大学院 | 513KB |
出典=入学試験における活用状況【2022年度】-大学院-(IIBC公式)、2026年9月17日確認。表は当サイトで作成しました。
公式は「はじめに・活用一覧の見方」と「大学院(全頁)」のデータも別に用意していると書いています。
ここで1つ、数字の読み方に注意が要ります。
公式は活用校数の表に注記を付けています。
「上記活用校数の中には非公開を希望した学校も含まれているため、活用一覧(PDF)の掲載校数とは一致しない」
つまり77校という数字と、PDFに載っている学校数は一致しません。
非公開を選んだ大学院があるからです。
さらに公式は、非公開の扱い方も書いています。
「学校名のみの公表にご協力いただいた学校(活用の詳細は非公開)は、学校名のみ掲載し、以降の欄はすべて『-』で表現しています」
TOEIC 大学院の一覧は何が書かれているか|10列の中身
公式の活用一覧は、1行に10項目が並ぶ形になっています。
| 列 | 何が入るか |
|---|---|
| 都道府県 | 所在地 |
| 学校 | 大学院名 |
| 研究科・専攻・コース | どの研究科か |
| 課程 | 修士・博士など |
| 試験形態 | 一般入試・社会人入試など |
| 活用方法 | 出願要件の一部・英語試験免除など |
| 活用テスト名 | L&R/S&W |
| 基準スコア | 必要なスコア |
| 公開テスト | 受理するかどうか |
| IPテスト | 受理するかどうか |
出典=入学試験における活用状況【2022年度】-大学院-(IIBC公式)、2026年9月17日確認。表は当サイトで作成しました。
公式自身が、1行の読み方を例で示しています。
岩手大学大学院の行について、公式はこう書いています。
「岩手大学大学院では獣医学研究科(共同獣医学専攻)博士課程において、TOEIC Listening & Readingスコア800点以上を一般入試の英語試験免除要件としており、公開テストのスコアを受理している」
800点という基準スコアが、はっきり書かれています。
そして「公開テストのスコアを受理」という部分も重要です。
一覧の右端2列は、公開テストとIPテストのどちらを受け付けるかを分けています。
TOEIC 大学院の「試験形態」は6つの選択肢から選ばれている
公式は、調査の選択肢そのものも公開しています。
試験形態の選択肢は6つです。
- 一般入試
- 社会人入試
- 外国人留学生入試
- 推薦入試
- AO入試
- その他
社会人入試が独立した選択肢として置かれているのが、大学院の調査らしいところです。
大学の入試活用調査とちがって、大学院は働きながら受ける人が対象に入っています。
自分が受けるのが社会人入試なのか一般入試なのかで、TOEICの扱いが変わる可能性があります。
一覧が試験形態ごとに行を分けているのは、そのためです。
大学の入学試験での活用状況はTOEICの大学入試活用は786校中390校の記事にまとめました。
TOEIC 大学院の「活用方法」は5つの選択肢|免除と加算はまったく別物
活用方法の選択肢は5つです。
| 活用方法(公式の選択肢) | 意味 |
|---|---|
| 出願要件の一部 | 出すために必要 |
| 英語試験免除 | 当日の英語試験を受けなくてよくなる |
| 点数加算 | 点が足される |
| 合否判定基準の一部 | 判定に使われる |
| その他 | 上の4つに当てはまらないもの |
表は当サイトで作成しました。選択肢の名称は公式の表記です。
この5つは、受験者にとって意味がまったく違います。
「出願要件の一部」なら、基準に届いていないと出願そのものができません。
「英語試験免除」なら、届いていれば当日の英語試験が1つ減ります。
「点数加算」は、届いていなくても受験できて、届いていれば有利になるという形です。
同じ「TOEICを活用している」でも、締め切りに間に合わせる必要があるかどうかが変わります。
990点の私の見方では、大学院受験でいちばん先に確認すべきはここです。
出願要件になっているなら、スコアは出願書類と同じ扱いです。
公式が「必ず各学校の入学案内・募集要項・公式サイトなどでご確認ください」と書いているのは、この違いがあるからです。
TOEIC 大学院で使えるのはL&Rだけではない|S&Wの扱い
公式は、一覧に出てくるテスト名の表記も定義しています。
- TOEIC Listening & Reading Test = L&R
- TOEIC Speaking & Writing Tests = S&W
スコアの刻みも書かれています。
「TOEIC Listening & Reading Test:10 ~ 990 点の5 点刻み」
「TOEIC Speaking & Writing Tests:Speaking、Writing 各スコア 0 ~ 200 点の10 点刻み」
そして注記の中に、大学院ならではの扱いが1つあります。
「TOEIC S&W スコアを2.5 倍にし合算」
S&Wのスコアを2.5倍して足す、という方式を採っている研究科があります。
S&Wは Speaking と Writing がそれぞれ0〜200点なので、合計は最大400点です。
400点を2.5倍すると1,000点になります。
この計算は当サイトで行ったものです。
つまりL&Rの990点と近い桁に揃える意図があると読めます。
ここは私の解釈で、公式が2.5倍の理由を説明しているわけではありません。
S&Wのスコアの仕組みそのものはTOEIC SWの採点はどう行われるかの記事で公式の記載を並べています。
TOEIC 大学院でIPテストが使えるかは研究科ごとに違う
一覧の右端には、公開テストとIPテストの2列があります。
公式は注記で、IPテストの条件をいくつも挙げています。
- IP テストは学内での実施に限る
- IP テスト(オンライン)は対象外
- IP テストは諸条件あり
- IP テスト(オンライン)の可否は研究科・入試方式により異なる
出典=入学試験における活用状況【2022年度】-大学院-(IIBC公式)、2026年9月17日確認。
IPテストについて、公式はページの末尾で定義も置いています。
「TOEIC Tests には公開テストと団体特別受験制度(IP:Institutional Program、以下IP テスト)の2 つの受験方法があります。公開テストは当協会の定めた日程・場所においてご受験いただくもので、IP テストは学校・企業・団体などで任意に日時・場所を指定しご実施いただくものです」
そして決定的な一文が続きます。
「IP テストの結果の有効性は通常、公開テストと同等と判断されますが、IP テストでは公開テストで発行される Official Score Certificate(公式認定証)は発行されず、スコアレポートでの結果報告となります」
IPテストでは公式認定証が出ません。
出るのはスコアレポートです。
大学院に提出する場面で、公式認定証の原本を求められると、IPテストのスコアでは対応できないことになります。
ここは私の読み方ですが、大学院を受けるなら公開テストで受けておくほうが確実です。
公式認定証の中身はTOEICの公式認定証をまとめた記事に整理してあります。
TOEIC 大学院の基準スコアに「601点」が載っている理由
一覧を読むと、TOEICには存在しないはずのスコアが出てきます。
公式はその理由を説明しています。
原文はこうです。
「テストスコアに関して、各学校のご回答内容を忠実に再現した結果、『活用一覧』中に実際には存在しないスコアが記載されています。たとえば『601 点』と表記されている場合、『601 点より高い TOEIC Listening & Reading スコア(実在するスコアは605点)から入学試験における出願基準などとする』という意味です」
TOEICのスコアは5点刻みなので、601点は存在しません。
601点と書かれていたら、実際に必要なのは605点です。
この読み替えは公式が書いているとおりです。
基準スコアを見るときは、5点刻みに直してから自分の点と比べる必要があります。
もう1つ、「-」の意味も公式が定義しています。
「調査項目の内、特に基準を設けていない場合や非公開の場合、未回答の場合に関しては、『-』で表現しています」
「-」は「基準が無い」とは限りません。
非公開か未回答の可能性もあります。
TOEIC 大学院の一覧に付いている※印を全部読む
公式は、一覧の中で使われている※印の意味を全部書き出しています。
ここに書かれていることが、実際の出願で効いてきます。
| ※印が示す条件(公式の表記) |
|---|
| TOEIC S&W スコアを2.5 倍にし合算 |
| IP テストは学内での実施に限る |
| IP テスト(オンライン)は対象外 |
| 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う特例措置あり |
| IP テストは諸条件あり |
| 例年は出願要件としておりますが、2022 年度入学試験では新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、公開テストが抽選式になったため、志願者の公平性確保のため出願要件としていません |
| 筆記試験として当日に実施。出願時スコア提出したものは筆記試験に代えることができる |
| 障がいなど特別な配慮を必要とする場合に限る |
| 筆記試験を行わず、スコアにより評価 |
| 筆記試験とTOEIC L&R スコアの換算点を英語試験成績として採用。ただし、スコアの提出は任意 |
| IP テスト(オンライン)の可否は研究科・入試方式により異なる |
出典=入学試験における活用状況【2022年度】-大学院-(IIBC公式)、2026年9月17日確認。表は当サイトで作成しました。
11個のうち、4つがIPテストに関するものです。
IPテストが使えるかどうかは、この調査でいちばん条件が細かく分かれている項目だということが分かります。
もう1つ目を引くのが、2022年度の特例です。
公式は「例年は出願要件としておりますが、2022 年度入学試験では新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、公開テストが抽選式になったため、志願者の公平性確保のため出願要件としていません」という回答をそのまま載せています。
つまり、この調査の一部の行は例年と違う扱いになっています。
2022年度の数字をそのまま今年に当てはめられない理由が、公式の注記の中に書いてあるわけです。
「筆記試験とTOEIC L&R スコアの換算点を英語試験成績として採用。ただし、スコアの提出は任意」という行も見逃せません。
提出が任意なら、出さないという選択もできます。
出したほうが有利かどうかは、公式には書かれていません。
TOEIC 大学院の調査は「回答をそのまま載せている」
公式は、一覧の作り方についても説明しています。
原文はこうです。
「『活用一覧』は、各学校にご回答いただいた内容をまとめたものです。表記については、以下の通り記載しています。『試験形態』『活用方法』欄は、選択肢よりお選びいただいた項目を掲載しています」
選択肢から選んでもらった項目を、そのまま載せている形です。
選択肢以外の回答についても、扱いが書かれています。
「選択項目以外のご回答をいただいた一部の学校に関しては、ご提供いただいた内容をできるだけ忠実に記載しています。しかし、紙面の都合上、文意が変わらない範囲で内容を編集している場合もあります」
編集が入っている行がある、と公式自身が書いています。
だから一覧の文言は、募集要項の文言そのものではありません。
先ほどの「601点」の話も、この「忠実に再現した結果」から生まれています。
公式が二重三重に「各学校の募集要項で確認してください」と書いているのは、こういう作りだからです。
TOEIC専門の講師として言うと、この一覧は「どの研究科を調べに行くかを決めるための地図」です。
出願の判断そのものは、募集要項でしかできません。
TOEIC 大学院の数字を、大学の調査と並べてみる
公式は、大学と大学院で別々の調査を出しています。
どちらも入学試験での活用状況を数えたものです。
| 調査 | 調査実施校数 | 活用校数 | 割合(当サイト計算) |
|---|---|---|---|
| 大学院(2022年度入学試験) | 92校 | 77校 | 83.7% |
| 大学院(研究科の単位) | 746研究科 | 275研究科 | 36.9% |
表は当サイトで作成しました。校数・研究科数は公式の表記で、割合だけ当サイトで計算しています。
同じ調査の中に、8割超と4割弱という2つの顔があります。
990点の私の見方では、受験生が実際に向き合うのは下の行です。
自分が受けるのは大学院という箱ではなく、1つの研究科だからです。
746のうち275、という数字で考えると「3つに1つ強」です。
逆に言えば、残りの471研究科ではTOEICが入学試験に出てきません。
この引き算は当サイトで行ったものです。
だから大学院受験でTOEICを準備するかどうかは、志望する研究科を決めてからでないと判断できません。
先にスコアを積んでおくべきか、他の準備に時間を回すべきか。
この判断の材料が、公式のこの2つの数字です。
TOEIC 大学院についてよくある質問
TOEIC 大学院の一覧はどこからダウンロードするのか
公式のページに、国公立大学院と私立大学院それぞれのPDFへのリンクが置かれています。
調査概要は「はじめに・活用一覧の見方」、全頁データは「大学院(全頁)」からダウンロードできると公式が案内しています。
掲載順についても書かれています。
「国公立・私立別の大学院を原則として都道府県別に五十音順で掲載」
自分の受ける大学院を探すときは、まず都道府県から追う形になります。
TOEIC 大学院で基準スコアが「-」になっているのはどういう意味か
公式は「特に基準を設けていない場合や非公開の場合、未回答の場合に関しては、『-』で表現しています」と定義しています。
3つの可能性が1つの記号にまとめられています。
だから「-」を見て「基準が無い」と判断するのは危険です。
TOEIC 大学院の入試で何点あればいいのか
公式は、大学院全体の基準点を示していません。
公式が出しているのは、研究科ごとの基準スコアが並んだ一覧です。
例として公式が挙げている岩手大学大学院の行では、英語試験免除の要件が800点でした。
ただしこれは1つの研究科の例です。
全体の目安として使える数字を、公式は出していません。
TOEIC 大学院の調査はいつのものか
2022年度入学試験を対象に、2021年10月・11月・12月に実施された調査です。
確認した日(2026年9月17日)の時点で、公式ページに載っていたのはこの調査でした。
最新の要件は各大学院の募集要項で確認してください。
TOEIC 大学院ではSpeakingも必要なのか
公式の一覧には、活用テスト名としてL&RとS&Wの両方が定義されています。
ただし、どちらがどれだけ使われているかの内訳を公式は出していません。
S&Wを2.5倍にして合算する方式を採る研究科がある、という注記だけが公開されています。
TOEIC 大学院の一覧に自分の受ける研究科が載っていない
公式は「一部の大学院における」調査だと明記しています。
載っていないことが、使っていないことを意味するわけではありません。
非公開を選んだ学校や、未回答の学校も含まれます。
まとめ|TOEIC 大学院は「学校ではなく研究科で見る」
公式の調査では、92校(746研究科)のうち77校(275研究科)が入学試験でTOEICを活用していました(2026年9月17日確認)。
校で見れば83.7%、研究科で見れば36.9%です。
この2つの数字の差が、大学院を受けるときにいちばん効いてきます。
活用方法は出願要件の一部・英語試験免除・点数加算・合否判定基準の一部・その他の5つに分かれていて、どれに当たるかで動き方が変わります。
IPテストでは公式認定証が発行されず、スコアレポートになると公式が明記しています。
基準スコアに「601点」のような数字が載っていたら、実際に必要なのは605点です。
990点の私の見方では、大学院受験でTOEICを使うなら、募集要項を開く前に3つを決めておくと早いです。
どの研究科か、どの試験形態か、活用方法は5つのうちどれか。
この3つが決まれば、公式の一覧で自分の行を1行で見つけられます。
大学生のうちからTOEICをどう使うかは大学生のTOEICは提出先で決まるの記事にまとめました。
この記事で使ったTOEICの一次ソース
この記事で引用した公式ページを、全部並べます。
すべて2026年9月17日に確認しました。
入学試験の要件は毎年変わるので、実際に出願する前には各大学院の募集要項をご確認ください。

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