
この記事では、TOEIC新形式が何をいつ変えたのかを、IIBCとETSの公式の記述だけで整理します。
使ったのは、当時のIIBCの案内とプレスリリース、そして今のIIBCの「テストの形式と構成」のページです。
公式に無いことは、無いとそのまま書いていきます。
【結論】TOEIC新形式は2016年5月の公開テストから
第210回公開テストから変わりました。
当時のIIBCの案内では、第210回公開テスト(2016年5月29日実施)からTOEIC Listening & Reading Testの出題形式を一部変更したとしています。
変わったのは出題形式で、試験時間・問題数・スコアの幅はそのままです。
| 見るところ | 2016年5月の変更 |
|---|---|
| パートごとの問題数 | Part1・Part2・Part5が減り、Part3・Part6・Part7が増えた |
| 新しい問題の型 | 3人の会話・図表を見る問題・意図を問う問題・文挿入・チャット・3つの文書 |
| 合計の問題数 | 200問のまま |
| 試験時間 | リスニング約45分・リーディング75分のまま |
| スコアの幅 | 10〜990点のまま |
表は公式データから当サイトで作成しました。
新形式の問題数の並びは、今のIIBCの出題形式のページとそっくり同じになっています。
L&Rの200問の内訳は、TOEIC L&Rの問題数は200問にまとめました。↓
TOEIC新形式が発表された時期と導入の順番
出題形式を変えると最初に知らせたのは、2015年11月5日のプレスリリースでした。
TOEICの開発機関であるETS(米国ニュージャージー州プリンストン)が、2016年5月に形式を変えると発表しています。
同じリリースでは、新しい形式は韓国と日本で実施される公開テストから入る予定とされていました。
日本では、2016年5月29日の第210回公開テストがその1回目にあたります。
会社や学校で受けるIPテスト(団体特別受験制度)は、公開テストより後の導入として案内されました。
| できごと | 日付 |
|---|---|
| ETSが出題形式の変更を発表 | 2015年11月5日 |
| 新形式に対応した公式問題集の1冊目を発売 | 2016年2月18日 |
| 公開テストで新形式を導入(第210回) | 2016年5月29日 |
| 新形式に対応した公式問題集の2冊目を発売 | 2016年10月13日 |
| IPテストで新形式を導入(当時の案内の予定) | 2017年4月 |
表は公式データから当サイトで作成しました。
TOEICの第1回公開テストは1979年で、出題形式は2006年にも一度変わっています。
2016年5月の変更は、2006年に続く形式の変更という位置づけです。
TOEIC新形式で変わったパート別の問題数
問題数の変化は、ETSのプレスリリースに載った新旧の対照表がいちばん詳しい資料になります。
| リスニングのパート | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| Part1 写真描写問題 | 10問 | 6問 |
| Part2 応答問題 | 30問 | 25問 |
| Part3 会話問題 | 30問(10の会話×3問) | 39問(13の会話×3問) |
| Part4 説明文問題 | 30問(10のトーク×3問) | 30問(10のトーク×3問) |
| リスニングの合計 | 100問 | 100問 |
表は公式データから当サイトで作成しました。
| リーディングのパート | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| Part5 短文穴埋め問題 | 40問 | 30問 |
| Part6 長文穴埋め問題 | 12問(4つの文書×3問) | 16問(4つの文書×4問) |
| Part7 1つの文書 | 28問(9つの文書・1つに2〜5問) | 29問(10の文書・1つに2〜4問) |
| Part7 複数の文書 | 20問(2つの文書×4組・1組5問) | 25問(2つの文書×2組+3つの文書×3組・1組5問) |
| リーディングの合計 | 100問 | 100問 |
リーディングの表も、公式データから当サイトで作成しています。
| パート | 問題数の増減 |
|---|---|
| Part1 | 4問減 |
| Part2 | 5問減 |
| Part3 | 9問増 |
| Part4 | 増減なし |
| Part5 | 10問減 |
| Part6 | 4問増 |
| Part7 | 6問増(48問→54問) |
増減の数は、新旧の問題数から当サイトで計算しました。
リスニングでは、Part1とPart2で減った9問がPart3に回った形です。
Part5は10問減りました。
その10問の分、Part6とPart7の長い文書を読む問題が増えています。
Part7の54問の今の内訳は、TOEIC Part7の問題数は54問という話にまとめました。↓
TOEIC新形式のリスニングで加わった問題の型
リスニングの変更点として、当時のIIBCの案内は次の項目を並べています。
- 発言が短く、やり取りの多い会話
- 3名で話す会話
- 省略形(going toがgonnaなど)や文の一部分(Yes, in a minute など)を含む会話
- 聞いた内容と、問題用紙に印刷された図などの情報を結びつけて答える設問
- 会話やトークの中で話し手が暗示している意図を問う設問
3人の会話は、Part3の説明にも「2人または3人の人物による会話」という言葉で入りました。
図などを見て答える設問は、Part3とPart4の両方に加わっています。
当時のIIBCの案内は、地図やグラフなどの視覚素材と会話の情報を結びつける力に特に重点が置かれているとしていました。
意図を問う設問は、会話やトークの中の一言で話し手が何を言おうとしているのかを答える型です。
リスニングの発音は、米国・英国・カナダ・オーストラリアの4カ国のまま変わっていません。
Part1〜4の今の形は、TOEICのリスニングは約45分・100問にまとめました。↓
TOEIC新形式のリーディングで加わった問題の型
リーディングで加わった型は、当時のIIBCの案内では次のとおりです。
- Part6で、文書内の空欄に最も適切な一文を選ぶ問題
- Part7で、文書内に新たな一文を入れるのに最も適切な箇所を選ぶ問題(文挿入)
- テキストメッセージやチャットで複数名がやり取りする文書
- Part7で、3つの関連する文書を読んで答える問題
- 文書中で書き手が暗示している意図を問う設問
Part6は、1つの文章に含まれる設問が3問から4問に増えました。
選択肢には、単語や句のほかに一文そのものが入るようになりました。
Part6の一文を選ぶ問題とPart7の文挿入は、文書の全体的な構成をつかめているかを問う設問だとIIBCは位置づけています。
Part7の複数の文書は、2つの文書が2組と、3つの文書が3組という組み合わせです。
3つの文書を読む問題は、新形式で初めて入った型になります。
1つの文書の問題も9つから10の文書に増え、1つあたりの設問は2〜4問になりました。
TOEIC新形式でも変わらなかった点
当時のIIBCの案内は、変わった点と一緒に、これまでと同じ点も並べていました。
| 項目 | 変更後も同じ内容 |
|---|---|
| 問題数 | リスニング100問・リーディング100問の計200問 |
| 試験時間 | リスニング約45分・リーディング75分 |
| 休憩 | 途中の休憩なし |
| スコア | 各5〜495点・合計10〜990点を5点刻みで表示 |
| 使う言語 | 英文のみ(英文和訳・和文英訳の設問なし) |
| 解答の方法 | マークシート方式の一斉客観テスト |
| リスニングの発音 | 米国・英国・カナダ・オーストラリア |
表は公式データから当サイトで作成しました。
問題の場面は主にビジネスでも、専門知識や専門用語を知らなくても答えられる作りだという点も、変更後に引き継がれています。
今のIIBCの出題形式のページも、この200問と約2時間の形をそのまま載せています。
合計は約2時間・200問です。
TOEIC新形式の難易度とスコアの比べ方
IIBCのQ&Aは、変更前と変更後で難易度は変わらないと答えています。
難易度に変化が出ないよう、ETSのテスト開発の専門家が調査と検証を重ねて設計した、というのがその理由です。
変更後の600点と変更前の600点は、同じレベルを意味するとされています。
変更後のスコアは、変更前のスコアと比べられる、というのがIIBCの答えでした。
ETSの専門家は検証テストを数回行い、結果を分析してクオリティが保たれていることを確かめたとしています。
スコアの意味は変わらないという点が、このQ&Aの中心です。
新形式になって受験者の平均スコアがどう動いたかは、この記事で使った公式の資料には出てきません。
TOEIC新形式で公式認定証に増えた項目
公式認定証のレイアウトに、大きな内容の変更はありません。
変わったのは、リスニングのAbilities Measured(項目別正答率)が4項目から5項目に増えたことです。
足された項目は「フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる」でした。
新しく入った意図を問う設問が、この項目を測る役を担う関係になります。
項目が増えても総合的なスコアには影響せず、スコアの意味も変わらないとIIBCは答えています。
TOEIC新形式が導入された理由
背景としてIIBCが挙げたテーマは、よりオーセンティック(実際的)なコミュニケーションです。
日常やビジネスでの英語のやり取りの方法は、時代と共に変わってきました。
ETSは、過去10年間でよく使われるようになったコミュニケーションの方法を選び、テスト問題に取り入れたとしています。
テキストメッセージやチャット、3人以上が加わる会話が入ったのは、この考え方によるものです。
ETSのTOEICプログラム・エグゼクティブディレクターのFeng Yu氏は、英語の使い方の変化に合わせてテスト問題も変える必要があると述べていました。
今の英語を反映し、受験者に要るスキルを測るテストであり続けるため、という理由です。
TOEIC新形式についてよくある質問
旧形式の問題集は今も使えるか
旧形式の教材を使ってよいかどうかは、公式には載っていません。
事実として言えるのは、変更前はPart5が40問で、Part7に3つの文書の問題が無かったという点です。
IIBCは2016年2月18日に「TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編」を出し、2016年10月13日に第二弾を出しました。
新形式で受験料は変わったか
変更のときの受験料は5,725円(税込)で、出題形式の変更に合わせた受験料の変更はありませんでした。
5,725円(税込)は2016年の変更のときの額です。
IPテストはいつから新形式になったか
当時のIIBCの案内では、IPテストは2017年4月に新形式問題を導入するとされていました。
2015年11月のプレスリリースの段階では、IPテストは2017年度以降の導入予定という書き方です。
今の形式は2016年の新形式と同じか
今のIIBCの「テストの形式と構成」のページの問題数は、2016年5月の新形式と同じ並びになっています。
Part1の6問からPart7の複数の文書の25問まで、数字は1つも違いません。
TOEIC新形式のまとめ
\次に読むならこの記事/
公式の記述だけで整理した関連記事です
| 見るところ | 公式の記述 |
|---|---|
| 始まり | 第210回公開テスト(2016年5月29日) |
| 発表 | 2015年11月5日(ETS) |
| 減ったパート | Part1・Part2・Part5 |
| 増えたパート | Part3・Part6・Part7 |
| 新しい型 | 3人の会話・図表・意図・文挿入・チャット・3つの文書 |
| 変わらない点 | 200問・約2時間・10〜990点 |
表は公式データから当サイトで作成しました。
今の形式と中身は同じです。
新形式で増えたのは、3人の会話や図表、チャットのような今のやり取りに近い問題でした。
あわせて読みたい記事を置いておきます。
Part5〜7の今の形はTOEICのリーディングは75分・100問にまとめました。↓
公式問題集の中身はTOEIC公式問題集は1冊400問でテスト2回分にまとめました。↓
以下はすべてIIBC公式サイトのページです。
- ETSは、TOEICテストの出題形式を2016年5月に変更します(IIBC公式サイト)
- TOEIC Listening & Reading Test 出題形式の変更点(IIBC公式サイト)
- TOEIC Listening & Reading Test 出題形式一部変更 Q&A(IIBC公式サイト)
- テストの形式と構成 TOEIC Listening & Reading Test(IIBC公式サイト)
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